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フリーのビジネスモデル:その力強さは魔法では




ChatGPT はなぜ無料で使えるのでしょうか?
開発元の意図としては、「人類全体の利益のために人工知能の進歩を促進することであり、その一環として広くアクセス可能なツールとしてChatGPTを提供しています。」とは言いますが、改めて無料のビジネスモデルについて考えてみましょう。もう10年以上前の書籍ですが、『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』をもとに考察します。

なお、著者のクリス・アンダーソンさんは、『ロングテール』という概念を提唱した方です。ロングテールとは、需要の長尾(ロングテール)部分を意味し、一部の人気商品だけでなく、数多くのニッチ市場やマイナー商品にも需要が存在するという考え方です。こちらについても改めて考えてみる価値がありそうですね。



無料のビジネスモデルについて

A. 20世紀の無料と21世紀の無料の違い

20世紀の無料サービスは、一部の商品やサービスが無料で提供される場合でも、その費用は他の製品やサービスの価格に組み込まれていました。つまり、一部の人々が無料で利用できる特典は、他の人々が価格を通じてその負担を共有していたと言えます。
フリーペーパーを例に説明します。フリーペーパーは、無料で配付されているので、読者は無料で情報を得ることができ、メディア企業は広告主からの広告収入を得ています。
ただし、このビジネスモデルでは、広告主が主要な収益源であるため、読者や利用者のニーズに完全に合致する情報やサービスを提供することが難しかった場合もありました。また、紙媒体の場合は印刷や配送などの物理的なコストもかかりました。

一方、21世紀の無料サービスは、デジタル技術の進歩により実現した新しい形態の無料サービスです。インターネットの普及により、デジタルコンテンツやオンラインサービスが無料で提供されることが増えました。これは、デジタルコンテンツの複製や配信のコストが限りなくゼロに近づいたため、無料で提供することが可能になったからです。

B. 真の無料モデルとその特徴

『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』では、真の無料(True Free)と呼ばれるビジネスモデルについても解説されています。真の無料モデルは、基本的なサービスやコンテンツを完全に無料で提供し、その無料のサービスを利用するユーザーに対して、別の形態で収益を生み出す手法です。

真の無料モデルの特徴は以下の通りです。
1. 基本的なサービスやコンテンツを無料で提供する。
2. 大量のユーザーを集め、ユーザーのデータやアクティビティを活用する。
3. ユーザーに対して付加価値のある追加サービスや特典を有料で提供する。
4. ユーザーの参加や関与を促進し、コミュニティやネットワーク効果を生み出す。
5. 広告やスポンサーシップなどの収益化手法を活用する。

C. Googleの無料提供サービスの仕組みと意義

代表的な真の無料モデルの事例としてGoogleを取り上げます。Googleは検索エンジンやGmail、Google Mapsなどの多くの無料サービスを提供していますが、その収益は広告によって生み出されています。

Googleの無料提供サービスの仕組みは以下のようになっています。
1. Googleは大量のユーザーを集め、検索エンジンや無料のオンラインサービスを提供します。
2. ユーザーがGoogleのサービスを利用することで、Googleはユーザーのデータやアクティビティを収集します。
3. 収集されたデータは広告主に提供され、ユーザーに関連性の高い広告が表示されます。
4. 広告主は広告を掲載することで収益を生み出し、Googleはその収益の一部を得ます。

Googleの無料提供サービスの意義は以下のような点にあります。
1. ユーザーにとっては、高品質なサービスやコンテンツを無料で利用できるメリットがあります。
2. ビジネスにとっては、大量のユーザーを集めることで広告収益やデータ利活用による収益化が可能となります。
3. 経済全体にとっては、真の無料モデルが新たなビジネス機会を生み出し、イノベーションを促進する役割を果たします。

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